■ヨガの歴史
ヨガ(またはヨーガ)という言葉はかなり古く、仏陀が生まれる以前からさまざまな文献に見られます。最も古いものは紀元前500年頃の「タイッティリーヤ・ウパニシャッド」で、「ダートゥパタ」「ダンマパダ(法句経)」と続き、紀元前350~300年頃成立した「カタ・ウパニシャッド」において、ヨガはかなり明確に定義づけされています。
その定義は紀元5世紀頃、ヨガ経典として有名な「ヨーガ・スートラ」冒頭の「ヨーガとは心の作用を止滅することである」という一文にも受け継がれているのですが、この「ヨーガ・スートラ」によって古典的なヨガの体系はほぼ確立されました。
ヨガは、バラモン教やヒンドゥー教、仏教、ジャイナ教などで修行法に取り入れられましたし、イスラム教の分派にも、ヨガとよく似た修行をする一派があります。
本来、宗教性も戒律もないところが、かえってヨガを宗教に取り入れやすくしているのかもしれません。
■マタニティヨガのはじまり
ヨガは、もともとインドに数千年前から伝わる修行法ですが、20世紀後半、冷戦下のアメリカにおいて、物質文明や資本主義に対する反発から、東洋の思想・宗教のひとつとして「ヒッピー」によって紹介されたのが、ブームの始まりです。
もともと「修行法」としての歴史が長いヨガですが、「健康・美容」に効果的だとしてさらにヨガ人気が高まり、多くの流派を生みだしました。その一つが「マタニティヨガ」なのです。
アメリカでヨガがブームになると、次々に日本でもヨガ教室が開かれるようになりましたが、当初は「生理中にヨガ教室に来てはいけない」などの制限がありました(今でも制限をもうけている教室もあります)。しかし、ヨガをしていると生理痛が軽減されたり、出産が楽になることが認識され、生理中や妊娠中でも受け入れるヨガ教室がでてきました。
日本の「マタニティヨガ」は、こうしてはじまったのです。
■最近のマタニティヨガ事情
現在のアメリカのヨガからは、1960年代にヒッピー達が重視していた「自然回帰」のような精神性は、なくなっているようです。あくまでも健康ブームの流れにのったヨガブームであり、筋肉トレーニングとしてのヨガであって、その証拠に、マタニティヨガに通っている半数が帝王切開で出産をするとのこと。
ではなぜブームがおきているのかというと、ヨガは筋トレだけでなく、瞑想タイムやリラクゼーションがついてくるから。ストレス社会を生き抜くためには心の開放が必要だと、アメリカ人の大半が感じているのではないでしょうか。
それを考えると、あまり宗教チックなのはいただけませんが、他文化の精神を柔軟に取り入れている日本のヨガは、たいしたものだと思います。
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